【代理人に関してここが知りたい! 〜代理人に関するQ&A〜】
Q アメリカでは選手が悪質な代理人の被害にあっていると聞きますが、そのような心配はないのでしょうか。
A 資格を限定し、悪い代理人を排除できるような制度を作っています。
たしかに、アメリカでは、不当に長いエージェント契約にサインさせたり、代理人が選手に不当な投資をさせて財産を失わせたり、財産を横領するなどのトラブルが生じています。しかし、このような代理人は、選手、球団双方にとって共通の敵ですので、選手会はそのような代理人の球界への流入を断固として阻止したいと考えています。そこで、選手会は調査検討の上、今年に関しては、選手代理人の資格を、国家資格でもあり、不正行為に対する懲戒制度も備わっている弁護士に限定し、悪質な代理人が入らないよう慎重な導入を図るべきと考えました。なお、サッカーのJリーグにおいても弁護士に代理人資格が認められていますが、Jリーグでは弁護士以外の人にも一定の条件で代理人資格が認められており、そのような人に対して資格を認めるか否かについては今後の検討課題です。ただし、認める場合でも、選手会などが不正行為を十分監督できるような制度にしていく予定です。
Q 代理人の資格を弁護士に限定するようですが、弁護士には野球の世界に詳しい人があまり多くないと聞きます。とすれば結局はあまり使えない制度になるのではないでしょうか。
A 選手会と弁護士が協力の上、適正で使いやすい制度にしていく予定です。
たしかに、今までは我が国において、プロ野球の代理人というのが存在しなかったわけですから、野球に詳しい弁護士が少ないという点は無理もないことかもしれません。しかし、弁護士が少なくとも契約や交渉に関してのスペシャリストであることは間違いありませんし、野球に関する知識という点も選手会と協力しあっていけば、それほど問題は生じないと思われます。代理人制度を健全に発展させていくためには、最初の段階ではある程度代理人の資格を限定することも重要と考えられますし、制度が定着してきた際には、代理人の資格を徐々に広げていって、適性のある人が少しでも多く代理人業務を行いうるように発展させていければと考えています。
Q アメリカでは、「スーパーエージェント」と呼ばれる人が、スター選手を代理することによって、非常に大きな力を持っていると聞きます。日本ではこのような問題は生じないのでしょうか。
A しばらくの間は心配ないと考えられます。
たしかにアメリカでは少数のエージェントが、多数のメジャーリーガーと代理人契約し、非常に力を持つに至っています。
しかし、我が国においては、これまでプロ野球の代理人そのものがなかったわけですし、今年導入したからといって、急激に多数の選手と契約する代理人がでてくるということは、少なくとも今年は資格を弁護士に限るということに照らしても、考えがたいといえるでしょう。
仮に、多数の選手と契約をし、力を使って悪いことをするのであれば、弁護士会の懲戒制度によって、それを防止することが考えられます。
Q 代理人を頼みたいのですが、報酬の金額が高額なのではないですか。
A 選手会でも「報酬ガイドライン」を定めていますし、具体的に選手が悩んだ場合には選手会が相談にのり体制をととのえます。
たしかに代理人に関しては、かなり高い報酬を取るというイメージがあるかもしれませんが、代理人がその業務の報酬として適正でない不当な対価を得ることについては、選手会としても阻止したいと考えています。
そこで、選手会は、契約交渉の場合の代理人の「報酬ガイドライン」を作って、不当な報酬かどうかの判断ができるように配慮しました。
Q 代理人は一部のスタープレーヤーのためだけの制度であって、比較的年俸額の低い選手には縁がない制度であるように思うのですが。
A 選手会は、代理人をあくまで「フェアな交渉をするための手助けをしてくれる人」と考えています。
そのような人の必要性は、年俸額によって差がないはずですので、選手会は選手全員が使えるような制度になるよう、報酬ガイドラインなどで工夫しています。
たしかに、1軍出場のない選手などで、自分くらいの立場では、代理人を使うなど事実上無理と考える選手もいるかもしれません。
しかし、前述したように、選手会としては、代理人について「フェアな交渉をするための手助けをしてくれる人」として活動してもらうことを期待しているものです。決して、「強い選手が年俸を吊り上げるための手助けをする人」としてではありません。そのような精神からすれば、代理人は、年俸額に関係なく、誰もが使えるような制度であるべきと考えています。選手会は、そのような考えから、「報酬ガイドライン」によって、年俸額の低い選手であっても、比較的低い報酬額で代理人にお願いできるよう工夫しています。
Q 代理人に交渉を依頼すると、まるで球団にケンカを売っているような形になってしまわないか。
A 前述のように代理人はあくまで「フェアな交渉をするための手助けをしてくれる人」です。
代理人にお願いすることは、ケンカを売ろうとしているのではなく、むしろ選手自身が交渉をして感情的になるなどにより迷惑をかけることなく、円満に交渉を進めたいから依頼するという趣旨を球団側にも理解してもらうよう説明しております。
第三者を入れて交渉をするとなると、選手と球団との信頼関係が失われるなどといったことがいわれることがありますが、必ずしもそうとはいえません。前述したように、むしろ代理人は、選手が自らの評価を聞くことによって感情的になり、冷静な交渉が不可能になることなどを避け、円満な交渉をしていくための橋渡しとしての役割を果たすという点が重要です。また、同じように球団側の言い分もよく聞いて、丁寧に選手に説明するという役割も期待されているといってよいでしょう。