JPBPAの活動について

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■第4回「プロ野球の明日を考える会」


青島   いえいえ。本当に基本的なお話ではあるんですけど。

鳥越   いいですか、ちょっと。玉木さんにダンダン触発されて。私も玉木さんと同じ認識で、宣伝媒体としてずっとやってきたツケが今やってきてるんだろうという気はしますけど。やっぱり、プロ野球がどんな要素で成り立っているかというと、もちろんファンがいたり、オーナー企業があったり、試合を放送しているテレビ局があったり、コミッショナーがいたりするんですけど、主役は選手だと思うんですよね。選手がいなけりゃ、成立しませんもんね。その選手の考え方、意見が、数年前から古田さんとか小宮山さんとか岩本さんとか、選手会を立ち上げてずっと運動されてきて、こういう会がひとつの現れでもあると思うんですが、選手会は、玉木さんは自立という言葉を使いましたが、僕はもっと戦闘的に「我々がいないと成り立たないんだよ」という意識でもっと具体的なことに関しても、注文を出してもらいたい。我々も、ジャーナリズム、メディアにいる人間ももちろん言わなきゃいけないし、言うつもりでもおりますけど、今選手会が選手会の存在を懸けて、体を張って。例えばこれから出てくるでしょうけど、ひとつひとつの問題、ペナントレースと日本シリーズというのは、ひとつのゴールに向かってハラハラしながらファンは見ているわけですよね。日本の野球は、一度ペナントレースが終わってから、1ヵ月くらいしてから日本シリーズでしょ。冷めてしまうんですよね。例えばですけど、そういうところもお客さんのことを、ファンのことを全く考えていないと思うんですよ。さっき金子さんがおっしゃったように、お客さんの不在。それは、頼ってきたところが、“ナベツネ”さんのような、自分の企業の宣伝にプロ野球を利用しているような人が横行しているとそうなると思うんですけど。そういう壁を打ち破るのは、基本的には選手会、選手のみなさんだと思うんですよね。やっぱり、グラウンドでプレイするだけでなくて、要求をドンドン突きつけていただきたいなと思います。それで、僕らは外側からサポートをする形で。

青島   古田さん、今の話について何かございますか。

古田  
はい、そうですね。我々もみなさんの意見を聞いて、ファンのみなさんの声をできるだけ吸い上げて要求をしているつもりですし、これからまた体を張って頑張っていきたいと思います。本当に耳の痛い話ばかりで。まあ、そういうつもりでやろうと思ってこういう席を設けていますし、みなさんにはいろいろな意見を言っていただきたいと思います。

玉木   また発言しますけど。交流試合なんていうのは、できないというのがおかしいですよね。もうプロ野球ファンのアンケートでも、90%以上の人がやってほしいと。こんなこと、やろうと思えばすぐできるのになんでやらないのかというと、改めて僕の口から言うほどではないと思いますけど。そういうなかで、もっと声を出したほうがいいと。ただもうひとつ、金子さんのポジションを侵食するみたいで申し訳ないんですけど、サッカーの歴史を勉強し直してる時に、すごくおもしろいことがあったんですよ。というのは、サッカーはイングランドで生まれたわけじゃないですか。でも、イングランドはFIFA(国際サッカー連盟)にずっと加盟しなかったじゃないですか。俺たちが世界一だという意識が強くて、俺たちの国に来て1位になったら、それが世界一だと言っていたんですよ。そういうイギリスに対して、フランスがFIFAをつくった。だから、FIFAというのはフランス語の略(FEDERATION INTERNATIONALE DE FOOTBALL ASSOCIATION)。それで、FIFAを中心にワールドカップをやったらそっちのほうが人気が出て、イングランドも無視ができなくなって、FIFAに参加したという歴史があるんですよ。今アメリカには、4大スポーツがあって、MLB、NHL、NFL、NBA。これが他のスポーツと違うところは、アメリカに行かないと世界一だと認められないんですよ。政治的、軍事的、経済的な力を背景にして、文化帝国主義に含まれているわけです。そのなかで、日本の野球選手も、台湾、韓国の野球選手も、アメリカに渡るという構造が出来上がっているわけですよね。これはかつてのイングランドを中心としたサッカーによく似ている。それに対してフランスがFIFAというものをつくって世界のワールドカップにした。世界のワールドカップにしたところで、経済構造を変えることはできないから、レベルが高くって給料も高いところ、あのリーガ・エスパニョーラのレアル・マドリッドなどにすごい選手が集まる。すごい選手がひとつのチームに集まっても、ワールドカップというところで、誤解を恐れずに申し上げますと、そういう世界の経済構造に対するテロのようなもので、やっぱ僕らの国はスゴイぞという大会ができるわけです。こういう構図ができていることを考えると、アメリカを中心にしたメジャーリーグベースボール、ワールドシリーズという勝手につけている名前がある時に、第2位の野球大国の日本が何をやらなければいけないか。イングランドのサッカーにおけるフランスの役割じゃないかなと私は最近気づいたんです。そうしたら、日本の野球界で誰ができるんだろうと考えた時に、いない。人材がいるんですけど、アマチュア野球界には。長老と呼ばれている人が、一生懸命スーパーワールドシリーズをやろうという人が。アメリカのMLBなんかも同じですよね。各都市にチームがあって、都市のオラがチームがその衛星放送などの国際的な電波に乗って、レベルの高いスポーツを提供している。企業スポーツで成り立っていて、国際的なスポーツになっているものはないんです。だから、その地域と世界を一緒に考えていかないといけないと思いますね。

青島   ありがとうございます。

岩本  
僕の個人的な意見を言わせてもらっていいですか。日本のプロ野球が発展するためには、確かに世界のいろいろなプロスポーツの例があるんで、その参考も必要だとは思うんですけど、僕はお客さんの協力がほしいですね。お客さんを動かしたいですね。やっぱりお客さんがぎょうさん入ると、人気種目になって、企業も儲かる、給料が上がる。その給料に魅力を感じた野球選手たちがプロになりたいと集まって、レベルが上がる。そうやって全てのレベルが向上していくと思うんですよ。そのなかで、いかにグラウンドに来てもらうかというところなんですけど、みなさんよく考えてください。野球場に入ってくるチケット代、高いと思いませんか。高いと思うでしょ。今、景気が悪い日本の世の中でね、野球を見に行こうとなった時に、お父さん、お母さん、こどもふたりを連れていって、グラウンドで弁当食べて、こどもが「ポップコーン食べたーい」言うたら、買いますやん。なんぼ使いますか。2万円くらい、使うでしょ、チケット代も含めて。なんやかんやかかって。から揚げを食べたいという子もいます。「あかん」なんて言えないじゃないですか。そうすると、月に何回見に行けますか。そうでしょ。そういうところからプロ野球の明日を考えるなら、まずは近道として料金を下げて、こども向きに見に来やすい状況をつくって、ぎょうさん入れる。で、すごく活性させる。球場内のものもなんやかんや売れるじゃないですか。盛り上がったら、あんなに人気のあるプロ野球に、野球選手になるわって飛び込んでくる人間も、昔と同じくらい増えてくるかもしれません。お客さんが入るということは、チームかてお金を出すわけですから魅力が出てきますよね。何十億、動くかもしれません。さっき日本ハムファイターズは8000人だと言いましたけど、観客動員数の決め方、知ってます? 知らんでしょ。カウントなんかしてないですよ。営業の人が来て、ざーっと見回して、「あー1万」。なんやそれって。

会場   爆笑

岩本   約何人ですからね。ホンマに立見席も空いてない球場を造るんだったら、僕は大阪的な感覚で、チケット代を安くすればいいんですよ。思いませんか。僕はそう思いますよ。1万円で3000人よりも、1500円で3万人のほうが儲かる。球場内のものも売れるし。プロ野球の明日を考えるなら、明日からでもそうしたいです。すみません、ありがとうございました。

青島   そうですね。おっしゃるとおり、家族で出かけるとかなりの出費になりまして。

岩本  
徐々に全てのレベルが上がるし、経済効果も出ると思いますよ。僕も、もっと人が集まったらやりたいことがある。

青島   チケットを安くというのは、一番直接的な方法だと思いますが。先程からゲームが長いというお話がありましたし、そのゲームの形態についても、みなさんからアンケートに答えていただいております。140試合制について、「もっと工夫するべきである」が95%、「今のままでいい」が4%、「わからない」が1%。もっと工夫するべきであると考えている人がほとんどです。なぜ交流試合ができないのか、あるいはプレーオフについてもメディアのなかで、だいぶ紹介はされているんですけど、古田会長、このあたりは選手会としても、長く訴えているところだと思うんですけど。

古田   ここ2、3年なんですけど、交渉段階では何度も出していることです。できない理由は、基本的にテレビの放映権が絡んでいて、難しい。一極集中が弊害になっているのは明らかなんですけど。僕も選手会として、声を上げて交渉しているんですけど、あまり芳しい反応もなく。もちろん、反対が多いからなんですけど。じゃあ、具体的にどうしたらいいのかというと、正直僕たちのアンケートでも、ほとんどの人が交流試合を求めてるということになるんですけど、会議では「それは一部の人だけだ」と言われる。そればっかりなんですよ。じゃあ、どうすれば実現に向かうのかというと、僕としては一度やってみるのもいいんじゃないですかと言っても、「いや、ダメだ、ダメダメ」という話になってしまいまして。

玉木   古田さんに聞きたいんですけど、その時の交渉相手というのは誰なんですか。

古田   球団の代表以上の方ですね。社長など。

玉木  
決定権はあるんですか。

古田   最後の決定権はオーナー会議ですね。オーナー会議では本来12人のオーナーがいらっしゃるんですけど、オーナー会の決定権は誰が持っているかというと……。

玉木   鳥越さんにたてつくわけじゃない、と言ってたてつくんですけど、鳥越さんは選手のみなさんが頑張らないといけないとおっしゃったけれども、もはやそういう状態ではないという気が私はしているんですよ。当事者というのは、えてして何もできないもんです。北朝鮮に拉致されて帰ってきた方に、全てのことをしゃべろって言っても、しゃべれないですよ。そこで、アウトサイダーとしてジャーナリストがいるんですよ。ジャーナリストが今こそ新聞の紙面で、テレビの画面で、ラジオの声で、ドンドン言って、世論を喚起しないとダメなんですよ。ところがそのメディアのオーナーがスポーツを牛耳ってるから難しいことではあるんですけど。今日は報道の方がたくさんいらっしゃってるから、なんとか戦いましょうと僕は言いたい。朝日新聞なんか、甲子園大会の前日ですよ、世界のアンダー18の大会の記事を2面で載せたわけですよ。アンダー18の試合が野球でもあるなんて知らない人のほうが多かったから、それを載せたことはある意味画期的だったかもしれないけど、日本は出られないんですよ。なぜかというと、夏の甲子園大会とバッティングしてしまっているから。アンダー18に選手を出さずに、オリンピックで勝ちましょうなんてどうなりますか。笑われますよね。そういうことをやっているわけ。おまけに朝日新聞の記事というのが「世界にもある甲子園大会」って書いてあるんですよ。どっちが大きい思てんねんという話ですよね。まあ、野球が世界的でないというのがあるかもしれないけど。私は頭にきたから、「朝日新聞はこれから、オリンピックのことを世界の国体と書け」と毎日新聞で書かせてもらったんですが。こういうメディアの状態のなかで、ジャーナリスト、ジャーナリズムというのが、スポーツの在り方に警鐘を鳴らさないとダメなんですよ。これは今、政治の問題、経済の問題と全部関わることで、ポスト工業化社会が文化国家として経済的にも安定するためには、文化、スポーツというものを、これからのインターネット、ブロードバンド、衛星放送のコンテンツとして育てないと、経済的にも日本は成り立たなくなると思う。高速道路はもう造れないんですから、もっとソフトの部分。スポーツは、文化、芸術、芸能ですよ。こういうものに、力を入れられるかどうかが日本の未来を決めるという自覚を持ってジャーナリズムというものがこれから動かなければならない。もう少ししゃべらせてもらうと、パリで行われているツール・ド・フランスという自転車レース、あれはスポーツ新聞がつくったイベントだったんです。今は「レキップ」と言っていますけど、昔は「オート」と言いました。フランス語の「オート」、車ですよ。その新聞が夏枯れで新聞が売れないから何かないかと。言ってみればデッチ上げに近い形で、だったらフランスを自転車で一周するレースをつくろうよって。その当時、「オート」という新聞は黄色い紙を使っていたので、今も1位の人はマイヨ・ジョーヌという黄色いシャツを着ますけど、その新聞の紙の色なんです。今じゃ、それはフランス人も知りません。ところが、その新聞社がそのレースを作った時に、主催者にはならなかった。自転車協会に主催させて、自分たちは報道に徹した。ジャーナリズムに徹した。そうしたらツール・ド・フランスはドンドンドンドン大きくなって、ジャーナリズムとしての批判精神も発揮するようになった。ジャーナリズム、メディアにとってもプラスになる。またフランスにとってもプラスになる。自転車会社にとってもプラスになる大きなマーケットをつくり上げた。ところが、日本は大きなマーケットをつくろうという時に、小さなマーケットで大きなシェアだけを狙っている人がいるからおかしくなる。もっとマーケットは大きくなるはず、日本のプロ野球は。それこそ今、Jリーグがかろうじて救われてるのは、日本のプロ野球組織がダメだからですよ。プロ野球人気のほうが圧倒的に大きかったわけですから。真っ当な組織ができれば、Jリーグは非常に困ると思います。でも真っ当な組織同士なら、総合スポーツクラブとして一緒のチームになってもいいわけです。野球が他のスポーツを助けなければいけないくらいのファンを持っているわけですよ。

青島   玉木さんの話は、むしろメディアの仕事をしている我々のような人間が集まって、またさらに話を進めなければいけない問題だと思うんですが。今の話のなかにありましたけど、選手のみなさんがどういった部分で不自由を感じているのか、どういうふうにやっていきたいのかはドンドン声を出していくべきだと。小宮山さんは、メジャーリーグに行かれたのは何歳でしたか。

小宮山  
36歳でしたね。

青島  
36歳。非常に遅い年齢でのメジャー挑戦となりましたけど、そのあたりのシステムについて不自由を感じた部分というのはありますか。

小宮山   根本的に日本と明らかに違うのは、GM(ゼネラルマネージャー)の存在ですね。向こうはゼネラルマネージャーという仕事する人がいて、全てを決める。そういう形でやってますから。現場の監督、コーチがこの選手がいい、あの選手がいいというよりも、GMの考え方で全て構成しますから、そのなかで選手を上手にやりくりして勝ちなさいと命じられるのが監督です。日本では、到底考えられない力を持った存在があります。野球をするうえで、お客さんをたくさん球場に呼ぶために働いている人がたくさんいるわけですよ。日本でいうところの営業とされる人たちがプロモーションで、相当頭を下げてお客さんを呼ぶためにスポンサーを呼んでくるということを、見えないところで相当やってましたんで。毎週日曜日は何々デーということで、スポンサーがお客さんを呼んでやっていましたから、選手もそういう方々のために、スーパースターであろうと、36歳のペーペーのルーキーであろうと、試合前にお客さんが集まっているエリアに行って、サインをしてというのはやってましたから。球団からの命令で、お客さんのためにこういうことをするんですというのが決まってましたね。日本だと僕が今まで経験したなかでは、営業及び広報の人が、試合前に5〜10分こどもたちにサインをしてあげてくださいっていう言い方でしたけど、向こうは有無を言わさず、選手全員が顔を出してましたから。たまたまメッツはニューヨークでしたから、テロの被害に遭われた方も多数いて、その人たちのために選手及び球団関係者の人は、なんらかの形で支援していこうということでやっていました。日本ではそういうことはなかなか表に出にくい部分でしたけど、向こうはそういったことも含めて、メディアも協力しながらやっていましたので。そういうのが新鮮に感じましたね。

青島   今の移籍の制度について、今日会場にいらしている方々にアンケートをとっているのですが、「もっと移籍を活発化させるべきである」というのが66%、「今のままでよい」というのが8%、「もっと移籍できないようにするべきだ」というのが11%、「わからない」という方が13%、「回答なし」が2%。66%の方からもっと移籍を活発化させるべきだという意見をいただいていますけど。小宮山さんは、日本でもフリーエージェントの権利を取り、アメリカにも移っているわけで、移籍ということにあたって考えていることはありますか。あるいは日本の今のシステムについて。

小宮山   日本は移籍について、選手もそうですけど、後ろめたいものがちらつきますけど、アメリカでは歴史が長いこともあって日常でしたから。朝クラブハウスに来て、トレードが決まったら、その日のうちに「じゃあ!」って。びっくりしました。今日から違うチームのユニフォームを着なくちゃいけない選手でも、明るい顔して出ていきますから。

青島   昔、カンセコ(ホセ、オークランド・アスレチックス)も、ネクストバッターズサークルでトレードを告げられたという話がありましたね。

小宮山  
トレードは日常的に起こりうることで、契約のしがらみのなかでいろいろなルールがあって、細かいことを言うと時間が足りないんでお話できないですけど、そういったルールも含めてゼネラルマネージャーが考えて、選手をやりくりするというのをやっていましたんで。それがいいのか悪いのかは別にして、もっともっと選手の入替えが頻繁に行われれば、チームの弱いところを補強できるし、いろいろなことが可能になりますから。頻繁にトレードが行われるようになればなるほど、野球の質という点では、見ている人がおもしろくなるのかなと思いますけど。

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